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神楽の豆知識

Story of Biccyuu Kagura

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 神楽の豆知識 

備中神楽は、それ程大掛かりな装備を必要としない。
しかしながら、それぞれに神楽としての
何らかの意味と歴史を持つ。

神楽太夫と
神楽社


 神楽を舞う舞手をいう。神職とは別に神楽師が登場したのは神代神楽の発生の後と考えられる
かっては厳しい師弟制度があった。神殿(こうどの)に上るということはまったなしの真剣勝負である。
 六、七人で神楽社とよぶ集団をつくる。
 かっては、地元の神楽が終わる春ごろから備中の南部方面へ、春神楽といって、旅芸人のように出かけていった。衣装道具を葛篭(つづら)に入れて、荷車に積み、人足がゴロゴロとひいていったものである。その姿は備中の風物詩であった。
 現在、神楽太夫と神楽社は、岡山県神社庁に登録され、国の重要無形文化財としての伝承活動に寄与されています。
 



 一社で二十数面を有し、一神一面が原則であるが、鬼面等は共有する。桐の木の手彫りであり、神楽太夫が彫る場合もある。頭髪、髭は、馬の尻尾を使う。
 猿田彦命:成羽地域と新見阿哲地方では鼻の型が異なる。
 大国主命、事代主命、建御名方命:親子関係であり、大きな鼻、大きな耳が類似している。
 詳しくは、神楽面のお話 をごらんください。
 備中神楽での大きな特徴として、「素面(すめん)」で舞う場面がある。
 「素面」とは、命が舞台から登場した当初は、命面をつけて「神ことば」や「荒舞」を披露するが、合戦の場面となれば、命面を取り除いて登場する場面がある。命面がなくとも神殿の幕内に入った神楽師のその表情は、神そのものと錯覚させられてしまいます。その時、舞い手は神格化して「神」となる。「素面」も面は着けていないが、仮面である。

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衣装とかぶりもの


 神事や神事舞は、式服。
 神能は、袴(はかま)に千早(ちばや)か狩衣(かりぎぬ)を着て、それに陣羽織をつける。
 陣羽織は備中神楽独特のいでたちであるが、明治のはじめに払い下げの武士の陣羽織をつかったともいわれている。
 特色のある衣装としては、猿田彦命、建御名方命が鎧をつけ、金糸銀糸をつかった豪華で華美な衣装は、大国主命、事代主命がつける。まことに、綺麗である。
 天狗面、鬼面にはシャグマ(頭髪)、命面にはコウガイ(白の折り紙)や兜のついた箱烏帽子、姫面には姫のし(白ののし折り紙)をつける。素面は、懐中烏帽子。
 コウガイは、髪結いに用いたものであり、江戸歌舞伎では、「力紙」といわれて、勇壮な役が髪の毛を結んだものである。黒い髪に真っ白な力紙が、翼を左右に大きく広げるのは、神聖で、超人的な、役柄の心の張りを信仰的にみなぎらせる効果があると信じられている。
 足には白か黒の足袋をはく。


採りもの


 御幣と扇子をもとに、剣、長剣、素元(すもと)、鈴、槌、鯛などがある。
 素元(すもと 通称:サイトリ)は、武器、杖、竹馬、竿、に変化する。細竹の両端に紙を花形に巻き付けた物。
  槌は、大国主命がもち、左手にもつと福が出、右手にもつと「天の平鉾(ひらほこ)の剣」という武器になる。

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舞台

 二間四方の神殿の正面に大幕を張り、その前に足もとを隠すように小幕を垂らす。
 三方は開け広げであり、観衆は、そこに座して神楽見物となる。
 大幕は、神々が天上から天降るときに、天の雲をかき分けて現れる様子を表現する。昔の大幕は紺色の無地や群がる雲が描かれていた。
 小幕は、天上から降臨された神々が波打ちぎわから上陸される様子を幕内舞で表現するためのもので、小波を意味している。




舞の基本型



 神能での舞は、ゆったりと壮厳な「命舞」、軽やかで流麗な「姫舞」、激しく勇壮な「荒舞」などの舞の型があり、総称して「曲舞」という。それは、いずれも「導き舞」を基に神格にあわせて脚色している。榊舞や猿田彦の舞などとは異なる。

 曲舞の舞い方
  幣を左手、扇を右手に舞台へ出る。
  扇を開き、幣を内回しに振る。
  幣を外回しに振り、右足から一歩でる。
  扇を回し左足を出し、幣と扇を肩の上へ持っていって拝(はい)をする。
  扇をおろして前へ出す。
  神楽歌(歌ぐら)を唱える。
  左手の幣を振り、右手の扇を回し拝をする。
  幣を肩にして扇を脇に、左回りに大回り一回。小回り一回。
  幣を立てて右へ舞い戻し。
  大回り一回。小回り一回。
  幣を横に倒して左へ小回り二回。
  正面に向かって拝をする。
  神楽歌(歌ぐら)を唱える。
  言い立てをする。(名乗りをし、幕の次第を語る。)
   以上を二回繰り返して一曲となる。

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歌と言葉

言い立て
 内幕のとき、天降る目的、行き先をおりこんだ和歌。
  「まことなるかな神無月 根底の国へ避(さこ)うらん」素戔嗚の命
名乗り
 自分の神名を名乗る。
  「そも舞いいだす神を、いかなる神と思うらん・・・・猿田彦の神なり」
歌ぐら
 神殿上で歌われる和歌。五、七、五、七、七の形式に従う。
  「八雲たつ出雲八重垣 夫妻隠(つまご)みに 八重垣つくる その八重垣を」
言葉
 それ以外の、神殿上での語り。


音楽さん

 太鼓の奏者。座長または、それに続くベテラン太夫が務める。
舞のすべてが太鼓に導かれるので、バチさばきが無視できない。
茶利役との掛け合いや和歌も歌い、はやし言葉も請け負う。
言いたてや歌ぐらでは、舞い手と太鼓が上の句と下の句を歌い継ぐ。
歌の頭や区切りごとに「サイヤー、サイヤー」とはやし言葉が入れられる。
 トンは、「天」を トントンは、「地」を表現する。


茶利

 芝居でいう三枚目役。
「天岩戸開き」では、手力男命。
「国譲り」では、稲脊脛命。
「大蛇退治」では、松尾明神。
 こっけいな話術と素振りで観客を楽しませる。
 音楽さんとの漫才も備中神楽ならではの楽しみの一つである。

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参考文献
・大塚 尚男氏  「備中神楽面」
・大塚 尚男氏  「神楽新聞」
・三村 信介編  「備中神楽」
・逸見 芳春編  「神楽絵巻」改訂版
・山根 賢一著  「備中神楽」
・神崎 宣武編  「備中神楽の研究」
・神崎 宣武文  山陽新聞サンブックス「備中神楽」
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