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神代神楽


天岩戸開き(あめのいわとびらき)




天岩戸開きの概要

 天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟神(おとみこ)、素戔嗚(すさのお)の尊(みこと)の再三にわたる悪業に怒った天照大神は、ついに天の岩戸を閉して隠れてしまった。
 そのために、国中は常闇となり昼夜の境目もなくなってしまった。
 そこで八十万神(やそよろずのかみ)たちが、天安河辺(あめのやすのかわら)に集まって、大御神のご機嫌をとりもつ相談をする。
 
  第一幕

amenokoyane
天児屋の命
amenofutodama
天太玉の命
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思兼の命

天の浮橋踏み鳴らし 常夜の雲ぞ久しかるらん


天津神(あまつかみ)天の岩屋に閉じ籠り 世は暗闇となるぞ悲しき


天児屋(あめのこやね)の命(みこと)と天太玉(あめのふとだま)の命の
両神が舞い出して、思兼(おもいかね)の命を呼んで岩戸を開く方策を謀らせる。

思兼(おもいかね)の命の一首。

八意(やごころ)の深き悟りのたばかりを
万(よろず)の神と共に謀らん



 思兼の命の妙案は、岩戸の左右に榊を森のように植え並べ、上の枝に曲玉(まがだま)をとり掛け、まん中の枝に御鏡(みかがみ)を、下の枝には、青和幣(あおにぎこ)、白和幣(しろにぎこ)をとり掛け、岩戸の御前に神殿をつくる。
 そして、岩戸正面に長鳴きの鳥を鳴かせ、神殿の小脇に斎燈、庭火を焚く。神殿では、天鈿女に御神楽を舞うならば、大御神は、「我かくたてこもるに、万の神は何をおもしろじろと舞いあらげるや、諸神は一興をいたするや」と、岩戸を少し開け、下界をみるにちがいない。
 その時、強力な手力男の命が岩戸を左右に押し開き、大御神の御手をとり、出ていただく。といった思慮である。

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  第二幕

天鈿女の命

その計略に基づいて天鈿女(あめのうずめ)の命が華麗に舞い遊び、
両神は岩戸に向かって祝詞(のりと)を奏上する。



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  第三幕

tedikarao
手力雄の命


天照大御神

天照らす大御神すらちはやぶる 神のすさびもかしこみましき


手力雄(たぢからを)の命が登場し、
太鼓たたきを相手に滑稽な仕草を交えて岩戸掛かりの準備が始まる。



その後、手力雄の命が一言
「まずは、岩戸のそのはじめ、隠れし神を出ださんとて、
八百(やお)や万(よろず)の神遊び、これぞ神楽のはじめなり」
めでたく岩戸を開けて天照大神の顕現(けんげん)を促す。



手力雄の命は、大神より御鏡を授かり、幕(岩戸)を閉じる。
御鏡は、天鈿女の命の手に渡る。
手力雄の命は、大神が再び御籠もりなきように岩戸に縄を張る指示を受ける。

天児屋の命と天太玉の命の一首。

天津神(あまつかみ)天の岩戸を押し開き
御世(みよ)明らかになるぞめでたや


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その後のお話・・・


素戔嗚の尊は、その悪業のために、神々から重い罰則を受け、
その上に髪や手足の爪まで抜かれて、高天原(たかまがはら)から追放されてしまった。

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日本の神の系図
(古事記による)
        いざなきの尊 ━  いざなみの尊
                  ┃(子)          あしなづち ━ てなづち
    ┃━ ━ ━ ━ ━ ┃━ ━ ━ ━ ┃         ┃(子)
おおやまつみ神  あまてらすおおみ神  すさのおの命 ━ くしないなだ姫
    ┃(子)          ┃(孫)             ┃(子)
このはなのさくや姫 ━ ににぎの尊         おおくにぬしの命
             ┃                     ┃(子)
             ┃(四代)          ┃━ ━ ━ ━ ━ ┃
           神武天皇        ことしろぬしの命  たけみなかたの命
         大和の国                    出雲の国
        「天(あま)つ神」                 「国つ神」
         伊勢神宮                    出雲大社

神楽の豆知識
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登場の神々

天照大御神
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
 天と地が始めて開けたころ、高天原に神が次々と誕生した。その最後に生まれた伊邪那岐の命は、伊邪那美の命と一旦は、夫婦となるが、縁を切り、その後、全身を洗い清められた。
 その際、左の目を洗う時、生まれた神が、天照大御神。右目を洗う時、生まれた神が、月読の命。そして、最後に鼻を洗う時、生まれた神が素戔嗚の命であった。
 天照大御神は、高天原を治める。月読の命は、夜を治める。素戔嗚の命は、海の国を治める。


天児屋の命
天児屋の命(あまのこやねのみこと)
古代から天皇に仕えた祭祀氏族・中臣(なかとみ)氏の祖先神。
岩戸に隠れた天照大神を引き出す為に「大祝詞(ふとのりと)」を奏上したが、大神から「これほど美しい祝詞は聞いたことが無い。」と誉められたとある。
この神は、天孫降臨の際に天下った五柱のうちの一柱である。


天太玉の命
天太玉の命(あまのふとだまのみこと)
古代から天皇に仕えて、古代占術や各種神事を執り行った忌部(いんべ)氏の祖先神。
天岩戸開きでは、天香山(かぐやま)の真男鹿(まおしか)の肩骨を抜いて占いを行い、榊を根ごとに引き抜いて垣をつくり、これに玉、鏡、木綿と麻の幣をくくりつけて神事をおこなった。
この神は、天孫降臨の際に天下った五柱のうちの一柱である。


思兼の命
思兼の命(おもいかねのみこと)
多くの思慮を兼ね持つ神という意味。人間の知力の極致を神格化したものと言われている。天岩戸開きの際に智謀をめぐらして、見事に日神(ひのかみ)の導き出しに成功する。後に葦原中津国(あしはらのなかつくに)の平定や天孫降臨に参画して活躍する高天原の知恵袋である。


手力男の命
手力男の命(たちからおのみこと)
手に力のある男神の意味がある。
茶利役。面は、小ぶりで、体を大きく見せる演出がされている。


天鈿女の命
天鈿女の命(あまのうずめのみこと)
古典では、裸で踊ったとあるが、神楽では、「なまめかしく」速いテンポで軽快に地を踏みながら舞う。

神楽面のお話
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参考文献
・大塚 尚男氏  「備中神楽面」
・大塚 尚男氏  「神楽新聞」
・三村 信介編  「備中神楽」
・逸見 芳春編  「神楽絵巻」改訂版
・山根 賢一著  「備中神楽」
・神崎 宣武編  「備中神楽の研究」
・神崎 宣武文  山陽新聞サンブックス「備中神楽」
■ 問合せ先は こちら です。
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